#VUIchallengeの第17回です。テーマは「Math Quiz」。
過去の#VUIchallengeの記事はこちら
お題
The challenge
Design a math quiz voice experience. Will you add different levels? Any gamification strategy?
Jesús' Tips
You can over complicate things a lot with this one. The tip is going to be easy now: Keep it simple!
DeepLによる日本語訳
課題
算数クイズの音声体験をデザインしてください。さまざまなレベルを追加しますか?ゲーミフィケーション戦略は?
Jesúsのヒント
市場には数学クイズがたくさんあります。自分のものをもっと面白くする方法を考えよう
前提
ではデザインの前提をやっていきましょう。今回のお題は、アイデア出しの意味合いが強いと思うので、あまり細かく考えずにサラッと。
会話のゴール
- 算数のクイズを「楽しく」
想定されるユーザのペルソナ
- 算数はそんなに好きというわけでもない、楽しくできそうならやってみたい
- 算数からすっかり離れている大人
いつどこで使われるか?
- 自宅で暇なときにふと思いついて利用
- 定期的・継続的に使ってもらえるような施策はあまり考えないことにする。
どのデバイスで使われるか?
- 自宅にあるスマートスピーカー
スキルの特徴・個性は?
- シンプル・気軽に使える
- クイズに答えるだけ
- 1回のプレイで5問
- 楽しく
- 正解・不正解で楽しいサウンドや効果音
- ゲーム的な要素
- 音声のみ
- 正答率
- 難易度設定
ビジュアル
- クイズそのものについてはなし
- やるとするならば、スキルの継続利用に寄与するようなもの
デザイン
ということでデザインです。まず基本的なクイズのフローから。
基本
アレクサ、算数クイズをひらいて
算数クイズの時間です。算数のクイズを5問出しますので全問正解をめざしましょう。クイズの準備はいいですか?
OK
わかりました。それでは第1問!(効果音:ジャンジャン!)5 たす 6 は?
11!
(効果音:ピンポンピンポンピンポーン!)正解です!続けて第2問!(効果音:ジャンジャン!)4 たす 3 ひく 2 は?
4!
(効果音:ブッブー!)残念、不正解です!答えは5でした。気を取り直して第3問!・・・
全問終了、お疲れさまでした!今回の正解率は(効果音:ドラムロール)80%でした。惜しい!次は100%を目指しましょう!それではまた。
クイズなので楽しくやりたいですよね。正解や不正解、最終結果など、効果音を使うと簡単に楽しい雰囲気をつくることができますよね。
あと、最初にクイズをスタートする前に一度ユーザに確認しています。
クイズの準備はいいですか?
ここは賛否両論あると思いますね。今回はクイズへの期待感を盛り上げて、ユーザの心の準備という意味で、確認するようにしましたが、なくてもいいかもしれません。
楽しくする工夫
ではクイズを楽しくするいろいろな工夫を考えていきましょう。
点数や正答率
今回、クイズの前提として、1回5問としました。最後に5問中何問正解したかの結果を正答率で答えるようにしてみました。
全問終了、お疲れさまでした!今回の正解率は(効果音:ドラムロール)80%でした。(効果音:タッタラー)惜しい!次は100%を目指しましょう!それではまた。
その結果に応じて効果音やメッセージなどを変えるのは良いと思います。100%だとこんな感じですかね。
全問終了、お疲れさまでした!今回の正解率は(効果音:ドラムロール)100%、全問正解です!(効果音:タッタラー、パチパチパチ)おめでとうございます!次回もこの調子で100%を目指しましょう!それではまた。
今回は1セッションの中で完結していますが、過去の全セッションにまたがって正解率や点数などを出すのもいいかもしれませんね。その場合のインタラクションは少し工夫する必要があるかなとは思います。
レベル設定や難易度
いつも同じ感じだと飽きちゃいますよね。正解率に応じた、レベルや難易度の設定・変更は一つの方法です。レベルや難易度の設定は、明示的・暗黙的の両方のやり方があると思います。上記の例では、正解の前後で少し違いをつけてみした。
わかりました。それでは第1問!(効果音:ジャンジャン!)5 たす 6 は?
11!
(効果音:ピンポンピンポンピンポーン!)正解です!続けて第2問!(効果音:ジャンジャン!)4 たす 3 ひく 2 は?
1問目は2つの数字の計算、それに正解したので2問目は3つの数字の計算にしています。この場合は「暗黙的」にレベルが上がったと言えるかと思います。
「明示的」にレベル・難易度を設定する場合には、ユーザとのインタラクションを考える必要が出てくるかもしれません。例えばこんな感じ。
起動時
算数クイズの時間です。現在の難易度は2、正答率は98%です。そろそろ難易度を上げますか?
終了時時
全問終了、お疲れさまでした!今回の正解率は(効果音:ドラムロール)100%、全問正解です!(効果音:タッタラー、パチパチパチ)おめでとうございます!レベルが3にあがりました。次回からより難しい問題が待ち受けています!お楽しみに。それではまた。
ユーザにレベル・難易度の設定を許すかどうかによりこの辺りは変わってくるかなと思います。
認知的負荷を逆手に取る
過去のチャレンジでは、何度か認知的負荷について触れてきました。クイズの場合はこの認知的負荷を逆にうまく活用できると思います。
続けて第2問!(効果音:ジャンジャン!)4 たす 3 かける 2 ひく 6 わる 2 たす 5 は?
続けて第2問!(効果音:ジャンジャン!)412 ひく 389 たす 165 は?
認知的負荷が高い=難易度が高い、ということですね。そろばんとかはこういう考え方だと思います(手元にそろばんがあるのとないのでは意味が違うかもですが)
SSMLを使う
SSMLを使って、話し方を変えるのも効果的です。例えば、上の例にあったこれ。
続けて第2問!(効果音:ジャンジャン!)4 たす 3 かける 2 ひく 6 わる 2 たす 5 は?
普通のSSMLだとこうなります。効果音はAlexa Skills Kit サウンドライブラリのものを使いました。
<speak> 続けて第2問!<audio src="soundbank://soundlibrary/ui/gameshow/amzn_ui_sfx_gameshow_intro_01"/> 4 たす 3 かける 2 ひく 6 わる 2 たす 5 は? </speak>
SSMLでめちゃめちゃ早く喋らせてみましょう。
<speak> 続けて第2問!<audio src="soundbank://soundlibrary/ui/gameshow/amzn_ui_sfx_gameshow_intro_01"/><prosody rate="200%"> 4 たす 3 かける 2 ひく 6 わる 2 たす 5 は?</prosody> </speak>
集中して聞いてないと追いつけないです。一気に難易度が上がりますよね。
早くしたり遅くしたりを組み合わせたり、ランダムに休止入れたりして、リズムを崩すと、また違った難易度になりますね。
デザインの根拠
- クイズの問題自体(例えば特定のテーマに絞ったものとか)に魅力があれば継続性はあるかもしれません。今回は算数という普遍的なテーマなので、テーマ自体にはそれほどの目新しさもなく、それだけでは継続性が難しいと判断しました。ので暇つぶしに使ってもらうというスタンスです。
- その代わり、楽しい雰囲気やチャレンジ性などのゲーム的な工夫を施すことで、多少の継続性をあげようという感じです。音声のみのインタフェースであれば効果音は積極的に使うべきだと思います。
- ゲーム的な工夫には色々なやり方がありますが、シンプルなインタラクションを守るためには、あまり凝ったことはしなくていいかなと思っています。
まとめ
ゲーム的な要素を追加するには、効果音やSSMLなどかんたんにできるものから、ユーザの利用状況(正答率など)を管理する何かしら実装が必要なものまで、いろいろあります。アイデア次第でいろいろ幅が広がりそうですが、インタラクションに影響するものもありますので、ユースケースや前提に合わせて検討するのが良いと思います。