kun432's blog

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初音ミクはじめてみた①

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今月はいろいろあってちょっと久々。

先日思い立って「初音ミクV4X」を買いました。

初音ミク V4X

初音ミク V4X

  • 発売日: 2016/08/31
  • メディア: ソフトウェア

DTMはすごく昔(SC88Proとかなつい)ちょろっとかじっていたのですが、コロナで自宅にいることも多くなり、前から興味があった「初音ミク」をやってみようということです。まあ「キャラクターに歌わせる」ということで、これもある種のVUIではないかなぁと思ってたりするのもあります。

ということで、早速やってみた的な感じで。

目次

必要なもの

まずは何が必要なのか?というところからスタートです。VOCALOID?初音ミク?いろいろあってよくわからない。ざっと調べてみるとこういう感じでした。

  • DAW
    • シーケンスソフト。音声による多重録音とか、デジタルでの打ち込みとか。まあDTMをやるための基本。
    • プラグインで音源とかを呼び出せる。
  • VOCALOID
    • ヤマハによる音声合成技術の名前、とその製品名
    • 製品としては、音声ライブラリ、つまり音源、とVOCALOID専用エディタ
    • 専用のDAWもおまけでついてる
  • 初音ミクV4X
    • VOCALOID技術を使った「音源」。
    • Piapro Studioという専用エディタがついている

で、基本的には、DAWからVOCALOID製品(初音ミク含む)をプラグインとして使うということになるので、最低限必要なのは、

  • DAW
  • VOCALOID製品のどれか

になります。うちの場合はMacなので、

  • GarageBand(DAW。プラグインにも対応しています。)
  • 初音ミクV4X

で行くことにしました。

インストール

もう手順は覚えてないけど、いろいろハマりました。。。

アクティベートできない

VOCALOID製品(初音ミク含む)は「VOCALOID License Manager」を使ってシリアルコードを入力してアクティベートしないと使えません。が、初音ミクV4Xに同梱されているものはバージョンが古く、TLS1.2に対応していないため、アクティベーションに失敗します。以下より最新版をダウンロードしてアクティベートする必要があります。

GarageBandからPiapro Studioを読み込めない

初音ミクV4Xは、DAWからプラグインとして、VOCALOIDエディターである「Piapro Studio」を呼び出して使います。インストールしてGarageBandを起動すれば自動的に読み込まれプラグインとして選択できるようになるはずなのですが、何度やっても出てこない。とりあえず再起動とか色々やってたら出てくるようになりました・・・何が原因だったのはよくわかってません・・・

Piapro Studioのバージョンアップができない

Piapro Studioは単体では起動できなくて、GarageBandを起動してプラグインとしてPiapro Studioを選択して初めて起動されます。起動時に自動でバージョンアップを確認するのですが、その際にGarageBandは落とさないといけません。で、落としてバージョンアップしようとすると、エラーになります。

単体でアップデータが配布されているのでダウンロードして実行するもこちらもエラー・・・いろいろ調べてみてこちらに行き着きました。

こちらに記載のある通り、Update.appの中身をひらいて実行権つけてから再度Update.appを実行するということでアップデートできました。こんなん無理やろ・・・Macで初音ミクやってみたい、と思ってる方は上記のサイトを確認することをおすすめします(Logic pro xをお使いのようですが、GarageBandに読み替えればだいたい同じです。というか、上記サイトにほとんど書いてあります)

そんなこんなで結構苦労しながらもインストールできました。

やってみよう

ではGarageBandを起動して新しいプロジェクトを立ち上げます。

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とりあえずトラックを追加します。今回は、mp3のオーディオを伴奏に、初音ミクに歌ってもらおうと思います。まずは伴奏のためのオーディオトラックを選択しましょう。

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トラックができました。ここにmp3ファイルを追加します。今回は、株式会社VSQ様がフリーで公開されている素材から「どんぐりころころ」を使わせていただきました。

上の"2"と書いてあるところ辺りにmp3ファイルをドラッグアンドドロップしてください。

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mp3ファイルを追加するとこんな感じになります。波形のようなものが見えていますね。このときmp3の先頭が"2"から始まるようにしておいてください。(意味があります)

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次にテンポを合わせます。DAWではテンポを決めてそれに従って打ち込み等を行い再生しますが、mp3ファイルにはテンポ情報がないため、DAW側のテンポとあっていないと、mp3の伴奏と打ち込み等がずれてしまいます。

やり方は色々ありますが、原始的なやり方でやってみましょう。上のメトロノームアイコンをクリックします。

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以下のように紫色になればOKです。

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では再生してみましょう。再生ボタンをクリックします。

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メトロノームに合わせて伴奏が聞こえてきたかと思います。が、メトロノームとテンポがあってないですよね?そこでテンポを調整します。上部真ん中にあるTempoのところに書いてある数字を変更します。クリックしてホールドしたまま上下に動かすか、ダブルクリックで直接入力することができます。ここでメトロノームとぴったりあうようにテンポを設定します。

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以前、mp3ファイルからテンポを算出してくれる"BPM Analyzer"というツールがあったのですが、Mac OS Catalinaで使えなくなってしまってるようです。他にあれば誰か教えて下さい。

今回使用させてもらった「どんぐりころころ」では、テンポを114にすることであいました。波形と時間軸のところもぴったりあっていますよね。ちなみにこの時間軸の数字が1小節です。これで伴奏の設定は完了です。

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次にいよいよ「初音ミク」を使った歌のトラックを作ります。トラックの左上にある「+」をクリックします。

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最初にトラックを追加したときと同じようにトラックのタイプを選択する画面が出ますので、今回は「ソフトウェア音源」を選択して「作成」をクリックします。

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新しいトラックが追加されましたが、なんか楽器のアイコンになっていますよね。標準だとGarageBandがデフォルトで持っている音源が選択されてしまいます。この音源を初音ミクに変える必要があります。

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画面下のところに「プラグイン」というのが見えていると思いますので、ここをクリックします。

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ここに音源名のようなものが表示されています。例だと"E-Piano"となっています。ここにカーソルを合わせてください。

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上下に選択できるような表示に切り替わりますので、ここをクリックします。

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メニューが出てくるので、"AU Instruments" -> "Crypton" -> "Piapro Studio AU" を選択します。

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別のウインドウが立ち上がったと思います。これが初音ミク専用エディター「Piapro Studio」です。ここにメロディーと歌詞を入力していくことになります。

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では「どんぐりころころ」のメロディーを作っていきましょう。Piapro Studioの左上にある「+」をクリックします。

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初音ミクの顔が見えましたね。GarageBandと同じく、初音ミクでもトラックを作って、ここにメロディーを設定していきます。

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次に、実際に入力・再生される範囲を指定します。これをリージョンといいます。鉛筆アイコンをクリックして、

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GarageBandの伴奏の長さと同じだけ範囲ドラッグするのですが、今回はお試しなので8小節だけにしましょう。2から9までが含まれるようにドラッグします。

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これでリージョンができましたので、メロディーの入力ができるようになります。リージョンをダブルクリックします。

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画面が変わってピアノの鍵盤が見えますね。これがピアノロール画面です。鍵盤に合わせて縦が音階、横が時間軸になります。ここに音符的なものを置いていく感じです。

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ところで、GarageBandでもPiapro Editorでも、最初は2小節目からスタートするようにしていましたね。Piapro Editorのトラックの最初を見てください。最初の0.5小節だけ暗くなっているのがわかるでしょうか?

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ここは、初音ミクで音声合成処理をおこなうための準備部分となっており、歌が始まる前に必ず0.5小節が必要になり、ここは音を鳴らすことができません。なのでGarageBandでもPiapro Editorでも、1小節目からではなく2小節目から始めていたのでした。

あと、1小節の幅が小さくて入力しにくいので少し広げておきましょう。

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広げる前は1小節が4分で表示されていたのが、

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こうなります。1小節が8分で表示されるようになりました。

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では入力しています。伴奏に合わせると、最初の「どんぐりころころ〜」は「ラーミミファミレド」になります。鉛筆アイコンが選択されていることを確認して、マウスで「ラ」のところを1拍分、つまり8分音符2個分ドラッグします。

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これを繰り返していくと、こんな感じになります。「どんぐりころころ、どんぶりこ〜」のところですね。GaragaBandから再生してみると伴奏に合わせて「ラ〜ララ」みたいな感じになるかと思います。

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次に歌詞を入れて歌わせてみましょう。最初の「ラ」のところをダブルクリックします。

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テキストを入力できるフォームが表示されます。一番上に「ら」と入っていますね。ここが発話される部分になります。ここを「どん」に変えてみましょう。

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変わりました。が・・・「ん」が次の音符に移って分かれてしました。ここは「ぐ」のところのはずです。

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初音ミクでは、1つの音符(ノートといいます)に対して、基本的に1文字の発話しか設定できません。つまり「どんぐりころころ」は「ど」「ん」「ぐ」「り」「こ」「ろ」「こ」「ろ」というふうにノートを置いて上げる必要があります。こういうふうに分けないといけないわけですね。

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ということで、最初のノートの長さを短くして、もう一つノートを置くように変更しましょう。「どん」と2音入っていると変更ができないので、一旦「ど」だけにします。

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「ど」のノートの右端をドラッグして短くします。

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新しいノートを置いて、発話を「ん」に設定します。

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これでOKです。ちなみに、小さな「っ」や伸ばす場合の「ー」は1音として認識されるみたいです。

こんな感じで入力を繰り返していって、8小節分全部入力するとこうなります。

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伴奏に合わせて再生させるとこんな感じになります。

※再生できない場合はこちらからどうぞ。

かんたんなサンプルですが、実際に歌ってもらうとなんか嬉しいですねー。

まとめ

まだほんと触りの部分しかできてないですが、初音ミク、ほんと楽しい!

次回はちょっと歌唱的な表現をいくつか試してみたいと思います。