昨日は今年最後のVoiceLunchJPの「Vo年会!」でした。
今年1年のVoice界隈を振り返ってワイワイしゃべろう、ということでいろいろ話ができて楽しかったです。その中で、Voiceflowの今年1年にも少し触れてみたのですが、改めてブログでもまとめておきたいなと。
あくまでも個人的意見・妄想だったりのレベルです。適当に聞き流していただけると幸いです。
目次
2020年のVoiceflowニュース
個人的にはこのあたりかなと思ってます。
- UIが刷新!よりデザイナーフレンドリーに。
- Amazon/Googleとも連携して新機能をリリース
- Googleアシスタント連携がリニューアル。Alexa⇔Googleのスイッチから、独立プロジェクトへ。
1つづつ見ていきましょう。
UIが刷新!よりデザイナーフレンドリーに。
このブログの中でも都度都度ご紹介していますが、ことしはUIが結構変わりました。
これが4月までのデザイン。
4月以降はこうなります。
以前よりもグラフィカルになり、発話内容などもいちいちブロックをクリックせずにキャンバス画面で表示されるようになったので、とても直感的で見やすくなりました。
これに加えて、以下のような機能が追加されています。
これまでは「初心者にも簡単に使えるGUIのツール」という印象が強かったと思いますが、VUIのデザインやプロトタイプ制作を「業務」としてより効果的に行うツールとして強化されたと言えるのではないかと思います。
詳しくは以前の登壇資料にまとめていますので、そちらをご覧ください。
Amazon/Googleとも連携して新機能をリリース
Voiceflowは、Amazon Alexa/Googleアシスタントというプラットフォームからするとサードパーティーにあたります。つまり、プラットフォームが提供した土俵に乗っかってるという面が常にありつつも、プラットフォームができることを別のやり方で提供するというライバル的な面もあるというわけですね。なので、プラットフォーム側から公式にメンションされるようなことはあまりありませんでした。
以下は、Alexa Live 2020で発表されたAlexa Conversationsのスライドからの抜粋です。
Alexa Live 2020では、
- APL for Audio(βで対応中)
- Alexa Conversations(対応予定かな?)
というところでVoiceflowがメンションされていました。
また、こちらはGoogle Assistant Developers Dayの模様からの抜粋です。
こちらではActions Builder/Actions SDKへの対応でメンションされていました。
今日の「Vo年会!」の中でも少し話がありましたが、プラットフォーマーが提供したい新しい機能や取り組みをディベロッパーと協力して一緒に作るというのは、お互いにWIN-WINになるとても好ましい関係性と思いますし、Voiceflowがプラットフォームからもある種「お墨付き」をもらったと言えるのではないかと思います。
今後もプラットフォーム含めて新しい機能にどんどん対応してもらえるとよいですね。
Googleアシスタント連携がリニューアル。Alexa⇔Googleのスイッチから、独立プロジェクトへ。
上記と少し関連しますが、Googleアシスタント連携について以下の変更がありました。
- 対話モデルの作成がこれまでのDialogflowから新しいActions Builderに変更されました
- 一つのプロジェクトでAlexaスキル・Googleアクションの切り替えが可能だったのが、でしたが、今後はAlexaスキル・Googleアクションそれぞれに独立したプロジェクトになります。
1については、これまでのVoiceflowのGoogleアシスタント連携は、Voiceflow/Actions on Google/Dialogflow/GCPといろいろサイトを行き来しながら設定しないと利用できないという非常に手間がかかるものでしたが、今後はActions on Googleでプロジェクトを作ってVoiceflowから選ぶだけ、と、非常に簡単に行えるようになりました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
2については、以下の記事で書いている通り、メリット・デメリットはあるものの、Alexaへの対応に比べるとどうしても見劣りしてしまうVoiceflowのGoogle対応が今後大きく進むのではないかと思っています。ポジティブに捉えたいところですね。
2021年のVoiceflow超個人的予測
ということで、2021年のVoiceflowを占ってみたいと思います!妄想・希望的観測込みです!
1. Googleアシスタントへの対応強化
上記の振り返りでも述べたとおり、今年はそのための布石が打たれたと思っていますので、ガンガン進めてほしいところです。Googleアシスタントの場合はスマートスピーカーに限らず、スマホでも利用できますので、スマホ上の他アプリとの連携や位置情報の活用など、非常に活用の幅は大きいと思っています。
Alexaとは似てるところもあれば違うところもあります。このあたりの違いを踏まえつつ、Googleなら何ができるのか、というところをご紹介できるといいなと思っています。
2. Alexa/Googleアシスタント以外の音声アシスタント・チャットボットへの対応強化
一般の開発者は利用できませんが、Voiceflowでは、エンタープライズ向けにカスタムなIVRやチャットボットへの対応もやっているようです。
コロナによる外出自粛ということもあって、今年は企業が顧客との接点をこういった形で持つことが増えたようです。来年コロナが収束するかはまだわかりませんが、当面はこの状況が変わらないことを想定すると、引き続きこういった取り組みは増えることが予想されます。また企業で使う場合、AlexaやGoogleアクションのような大手プラットフォームが提供する汎用的なものよりも、企業が持つデータベースやCRMと連携した形で「カスタマイズ」しての利用が望ましいでしょう。
そのようなケースにおいて、Voiceflowの使いやすいインタフェースを利用して、自社の音声アシスタント・チャットボットを作成できれば、とても効率的に開発ができるという可能性があります。最近のPrototypeの機能の充実はこういった狙いもあるのではないかな、と思っています。
Prototypeについては一部日本語がうまく動かないというところで要望を上げています。ここが使えるようになると、エンタープライズなチャットボットなどで活用されるかもしれませんね。
3. プロフェッショナル向けの機能強化
PROプラン以上の機能になりますが、最近こんなアイコンが追加されていることに気づいた方はいらっしゃるでしょうか?
ImageとPDFは以前からある「キャンバスのエクスポート機能」ですが、右端の「Local File (.vf)」を選択して、"Export"をクリックすると・・・
以下のようなVoiceflowのプロジェクトをjsonフォーマットでダウンロードできます。
{ "project": { "_id": "xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx", "name": "喫茶店", "teamID": "xxxxxxxxxxxx", "platformData": { "products": {} }, "members": [], "devVersion": "xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx", "platform": "alexa", "creatorID": 405 }, "version": { "_id": "xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx", "name": "Initial Version", "projectID": "xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx", "variables": [ "sessions", "user_id", "timestamp", "platform", "locale", "access_token" ], "platformData": { "publishing": { "forExport": true, "hasAds": false, "summary": "Enter your summary for the skill コーヒーショップ", "invocationName": "喫茶店のサンプル", "locales": [ "ja-JP" ], "category": null, "personal": false, "keywords": "", (snip)
一応Voiceflowではアップロードするたびにその時点でのバージョンがバックアップとして保存されています。これはプロジェクトの設定で確認することができリストアも可能です。
が、どういった変更が行われているか?までは見えませんし、レストアしてみないと確認もできません。プログラマーの皆さんであればやっぱりコード管理したいですよね。JSONファイルでプロジェクトをエクスポートすることが可能になったため、コードとしての管理もできるようになりました。またこのJSONファイルをインポートすることもできるので、バックアップやポータビリティも上がります。実は結構嬉しい機能です。
また、以下のようなプログラマの方なら少しうれしい機能も追加されています。
さらにロードマップの中にはVoiceflowのバックエンドのコードがそのままエクスポートされるというのもあります。すぐにはできないでしょうが(ビジネスモデル上難しい面もあると思うので)、こういったプロの開発者に向けてアピールしていくことも検討されているので、今年はいくつかそういった機能追加が見られるかもしれません。ぜひ期待したいところですね。
VFJUGでの活動について
この記事を書くために、改めてブログやFacebookグループの記事を見なおしてみたのですが、最新機能の紹介を中心に、Voiceflow公式ブログの記事の翻訳や新しいハンズオン資料など、1年を通してコンスタントにVFJUGのほうにはシェアできたのかなと自分でも思います。
来年も引き続きこういった情報についてはマメにシェアしつつ、日本語のチュートリアル資料も充実させていきたいと思っていますし、コロナで少し活動が限定的になってしまった面について、何かしら違う方法を模索していきたいですね。動画だったりライブ配信だったり、というところを今は考えています。
まとめ
2020年のVoiceflowは、いろいろ大きな変化もありましたが、これまでと変わらず継続的にいろんな機能のリリースが行われていることはとても喜ばしいです。 2021年も引き続き活発な活動を期待していますし、十分期待できそうですね!
来年もよろしくお願いいたします。