前々回、LexのAmazon Connectのコンタクトフローとの統合の際に説明した通り、日本の電話番号が取得できなかったので、電話番号取得に必要なプロセスをまとめておきたいと思います。
ただし、結論から言うと、個人では日本の電話番号を取得することは2021/5/6時点で不可ですので、あくまでも備忘録です。
目次
Amazon Connectコンタクトセンターインスタンスの作成
まずはAmazon Connectの設定を行っていきましょう。マネジメントコンソールからAmazon Connectの画面を開き、「今すぐ始める」をクリック。
Amazon Connectのリソースの設定を行います。まず、ID管理。
Amazon Connectは、マネジメントコンソールとは別にConnect専用の管理画面が作成されます。その際のユーザの管理方法と管理画面のURLを設定します。
- ID管理については、AWS Directory ServiceやSAMLを使った外部アカウントとの連携も可能なようですが、今回は「Amazon Connect内にユーザーを保存」を選択しました。
- アクセスURLは管理画面にアクセス適当なものを設定します。これがコンタクトセンターのインスタンス名となるようです。今回は"lex-booktrip-sample"としました。
設定したら「次のステップ」をクリック。
次にコンタクトセンターの管理者アカウントを設定します。おそらく「Amazon Connect内にユーザーを保存」を選択したためですね。適宜入力して「次のステップ」をクリック。
テレフォニーオプションでは、着信・発信の有効無効を設定します。着信のみ、発信のみ、ということもできるということですかね。デフォルトでは両方有効になるようです。今回は両方有効にしておきます。「次のステップ」をクリック。
ストレージの設定画面です。通話やチャットの記録はAmazon Connect用にS3バケットが作成され保存されます。カスタマイズもできるようですが、今回はデフォルトで。「次のステップ」をクリック。
確認画面です。ここまでの設定に問題がなければ「インスタンスの作成」をクリックします。
インスタンスが作成されます。数分程かかりますのでしばらく待ちましょう。
以下のような画面が表示されればインスタンスの作成が完了しました。「今すぐ始める」をクリックします。
新しいタブがひらいて以下の画面が表示されます。これがAmazon Connectの管理画面です(初回のみセットアップ画面が出てくるようで、2回目以降はちょっと変わります)。ちょっと面倒なので日本語にしましょう。
日本語になりました。ではセットアップします。「今すぐ始める」をクリックします。
通知とマイクの有効化を促すメッセージが出ます。多分ブラウザフォンを使うためには必要なのではないかと思います。「許可」しておきます。
最初に電話番号を取得します。「国/地域」で「Japan」を選択します。「タイプ」は、通常の電話番号である「DID(直通ダイアル)」といわゆるフリーダイアルである「料金無料電話」から選択できますが、「DID(直通ダイアル)」のままでよいです。
するとこういうメッセージが表示されて、先に進めません・・・
調べてみるとありました。
どうやら使える電話番号の在庫が枯渇しているということ、そして法改正により書類提出が義務となっているため、電話番号が取得できないようですね。
United Statesとかの電話番号であれば取得できるようなのですが、国際電話になってしまうため、日本の電話番号を取る方向ですすめたいと思います。
サポートケースに問い合わせる
ということで、サポートに問い合わせを行います。これはAmazon Connectの管理画面上からはできず、AWSのマネジメントコンソールから行います。
右上の「サポート」から「サポートセンター」を開きます。
サポートセンターの画面にある「ケースの作成」をクリックします。
ケースの作成画面が開いたら、「サービス制限の緩和」を選択。
ケースの詳細では、制限タイプに「Amazon Connect」を選択、コンタクトセンターのインスタンスARNのところでは、Amazon Connectのインスタンス名を入力します。
リクエストでは、お使いのリージョンを選択し(通常は「アジアパシフィック(東京)」だと思います)、制限は「日本(東京)の電話番号」を今回は選択しましたが、「インスタンスあたりの電話番号数」でも良い気がします。新しい制限値は、AWSの上限設定のデフォルトは5のようなので5にしておきます。
説明の箇所に、電話番号が取得できない旨を記載します。
これでOKです。「送信」をクリックしてサポートケースを発行します。
ケースが発行されました。これで一旦AWSからの返答を待ちます。
数日後に返答が来ました。
========== 1. ご提出いただく書類とご提出方法について ========== 電話番号取得のために必要な以下の書類を、当ケースへの返信時に添付する形でご提出くださいませ。
A. 申請者の行政機関発行の有効な身分証明書 (運転免許証、パスポートなど) B. 申請者と企業の関連性を示すドキュメント(社員証や、その他所属を確認できる書類) C. 公共料金の請求書、法務省からの企業登録証明書 (登記事項証明書など)、行政機関からの領収書、国税または地方税に関する証明書 (納税証明書など)、社会保険料の領収書などの書類 ※Cについて、東京の03番号の取得を希望される場合、03番号が使用可能な住所を証明いただく必要がございます。
・添付方法 (1) 以下URLから当ケースを選択し、返信ボタンをクリックします。 https://console.aws.amazon.com/support/home#/case/history (2)"添付ファイル"項目下の「ファイルの選択」ボタンをクリックし、ファイルを添付します。
うーん、どうも法人としての証明が必要なようです・・・とりあえず追加で個人で取得できるかを確認してみたところ、
現在日本の電話番号取得には、個人の身分証明書と事業登録(法人格)の証明書の提出が必須となっておりますため、 事業登録の証明書を持っていない個人に対して日本の電話番号をご提供することができかねてしまいます。
はい、ということで、個人だとAmazon Connectの電話番号は「現在」取得できないようです。
まとめ
残念ながら、Amazon Connectを個人で気軽にお試しするというのは、少なくとも現時点では難しいようです。ただし、
- USの番号なら取得可能(その代わり国際電話になる)
- Amazon Connectではなく、Twilio等ならば個人でも取得できる(はず?少なくとも書類の提出は必要ですが、数ヶ月前はOKでした。現在はまた変わっているかも。)
ということで、個人の検証ならUSの番号を使えなくはないですし(電話料金にご注意ください)、いつか業務で使う機会が来たときに申請の仕方は覚えておいて損はないかなと思います。