kun432's blog

Alexaなどスマートスピーカーの話題中心に、Voiceflowの日本語情報を発信してます。たまにAWSやkubernetesなど。

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#VUIchallenge #020 - Desserts and lists

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#VUIchallengeの第20回です。テーマは「Desserts and lists」。

過去の#VUIchallengeの記事はこちら

お題

The challenge

Design three different alternatives to the following experience:
"I have chocolate cake, carrot cake, Wildberry flan, salad fruit, brownies, muffins, tiramisu, apples, bananas, and pineapple. Which one would you like for dessert?"

Jesús' Tips

Lists are super important in VUI design. Think about the use case and about the different users you can have and what they are willing to achieve. Remember, there's never a single solution but one that is better than the rest.

DeepLによる日本語訳

課題

次のような体験に対して、3つの異なる代替案をデザインしてください。
「チョコレートケーキ、キャロットケーキ、ワイルドベリーのフラン、サラダフルーツ、ブラウニー、マフィン、ティラミス、りんご、バナナ、パイナップルがあります。デザートはどれにしますか?」

Jesúsのヒント

リストはVUIデザインにおいて超重要です。ユースケースを考え、さまざまなユーザーがいて、彼らが何を達成しようとしているのかを考えましょう。単一の解決策ではなく、他よりも優れた解決策があることを忘れないでください。

前提

デザートがおいしそうですが、今回も「リスト」がテーマです。リストについては過去のチャレンジでも出てきていましたね。

では、まずは前提条件を立てましょう。前提条件を複数考えることもできると思いますが、とりあえず一つで。

会話のゴール

  • デザートをなるだけかんたんに注文するための会話

想定されるユーザのペルソナ

  • 若い女性
  • 食後のデザートを楽しみにしている、別腹ですねw
  • チョコレートも生クリームもフルーツも全部好きw

いつどこで使われるか?

  • レストラン
  • ちょうど食事を済ませたところ
どのデバイスで使われるか?
  • レストランに席上に置いてあるスマートスピーカー

スキルの特徴・個性は?

  • たくさんのチョイスがある中で、シンプルに選択できる
    • このやり方を考えるのが今日のテーマ

ビジュアル

  • 不要です、だってこれから目にも美味しそうなデザートが出てくるんですし、想像力を大切にしたいですよね

デザイン

ということで、今回はいくつかのプランを考えたいと思います。

デザイン1

まずは過去のチャレンジを参考にしてみましょう。リストは3〜5というのが認知的負荷を考えると最適なのでした。それに合わせてみましょう。

アレクサ、デザートを注文して

わかりました。デザートは10種類あります。チョコレートケーキ、キャロットケーキ、ワイルドベリーのフランがあります。他のデザートも聞きますか?

うん、お願い

他には、サラダフルーツ、ブラウニー、マフィン、ティラミスもあります。まだ続きを聞きますか?

あとは、りんご、バナナ、パイナップルがあります。デザートは以上です。どれにしますか?

3〜4つずつなら覚えれそうですね。そのなかで一つお気に入りを選んで、繰り返しの中で好きなものを3つまで絞り込めれば、認知的負荷も最小にできそうですね。ただ、早く食べたい!という人はちょっとイラッとするかもしれませんね。逆に、デザートはどれも大好き、という人だと、いや、きちんと吟味したい、と思う人もいるかもしれませんけどw

一通り全部聞いておきたい、という人にはこれがいいかなと思います。

デザイン2

こちらのほうでは、前提条件にある「レストランで食事を済ませたところ」というのを少し踏まえて、食事の内容を参考に「デザートを提案する」形にしてみましょう。

アレクサ、デザートを注文して

わかりました。デザートは10種類あります。先ほどは仔牛のステーキをお召し上がりになられたましたね。濃厚な肉料理のあとはさっぱりしたフルールなんてどうでしょう?今の旬でおすすめなのは、りんご、か、パイナップルですが、いかがですか?それとも他のデザートも聞きますか?

この場合、最初の食事をきちんと記憶している、ということが重要になります。それを踏まえた上で、もしお客様のお好みにマッチするようであれば、早く食べたいという気持ちを抑えることもなく、とても気の利いた感じになりますよね。マッチしない場合はデザイン1と同じような感じになると思います。

あと、これなら画面付きデバイスでデザートの写真などを表示するのも効果ありそうです。

デザイン3

今度は絞り込むようにしてみましょう。今回10種類のケーキがありますが、以下のように3つのカテゴリーに分けてみたいと思います。

  • 濃厚なチョコレートベース
    • チョコレートケーキ、ブラウニー、ティラミス
  • 甘さ控えめなスイーツ
    • キャロットケーキ、ワイルドベリーのフラン、マフィン
  • さっぱりしたフルーツ
    • りんご、バナナ、パイナップル

バナナがさっぱりしているか、は置いといてw、これをベースに絞り込むような会話にしてみましょう。

アレクサ、デザートを注文して

わかりました。デザートは全部で10種類あります。大きく分けると、濃厚なチョコレートベースのもの、甘さ控えめなスイーツ、さっぱりしたフルーツがあります。どれがお好みですか?

チョコレート系が好きかなー

チョコレートベースのデザートは、チョコレートケーキ、ブラウニー、ティラミスの3種類です。お好みのものはありますか?それとも他のものを聞きますか?

デザイン1と2の折衷案って感じですね。気分や好みから、カテゴリーを大まかに絞り込んで、そこから選んでもらう、という感じです。これだとお客様の期待を大きく外れることはないかなと思います。

ただ、個人的にはこれだったらなんとなく1のほうがいいかな。1は単純な羅列なので、全てのメニューがフラットに思えます(ただし認知的負荷は高い)。こっちは最初に絞り込めるのでいいんですけど、最初の選択をミスったなーとかと思ったりすると、結局全部聞きたくなる気がしました。なのでちょっと中途半端な印象に思えたのが理由です。みなさんはどうでしょうか?

まとめ

今回の3つだとやっぱり2がいいかなと思います。食事の後のデザートはとても楽しみですが、個人的には早く食べるのを優先したいし、全部のメニュー見たら余計に悩みそうw

好みにマッチするかどうか、というところがややリスクになりますが(濃厚な肉料理のあとでも濃厚なチョコレートを食べたいという人には合わないでしょう)、パチっとハマればものすごく気の利いた感じに思えそうですし、やりとりも最小、自分で考えなくても提案してくれる、というのはとてもAI的でいいなと思います。

Alexa Liveでも強く押されていた「プロアクティブ」というところを実現するには、いかにパーソナライズされたおすすめにできるかどうか、そのための情報をどれだけ事前に持てるかはキーになりそうな気がします。